話題の記事続編なのに1作目の質を超えた映画5選

【ネタバレなし】トム・ハンクス大出世作「ビッグ」(ピアノのシーン・あらすじも)

この記事でご紹介する「ビッグ」は、1988年公開のハートフル・コメディ。13歳の少年が”大きく (ビッグに)” なる願掛けをしたら一夜で ”大人” になってしまい、社会人生活を送ることを余儀なくされる騒動を描く。トム・ハンクスが自身のキャリア初期において、コメディ俳優としての地位を確かなものにした秀作。

この映画を観るか迷っている方は、後でご提案する ”ジャッジタイム” までお試し視聴する手もあります。これは映画序盤の、作品の世界観と展開が ”見えてくる” 最短のタイミングのことで、作品が気に入らなかった場合に視聴を離脱する目安タイムです。

もし、この映画が気に入らなかった場合でも、このジャッジタイムで観るのを止めちゃえば時間の損切りができます。タイパ向上のための保険みたいなものです。

この映画を初めて観る方のことも考えて、ネタバレなし で、作品の特徴あらすじ(ジャッジタイムまでに限定)、見どころを書いて行きます。この映画の予習情報だとお考えください。

この映画を観るかどうか迷っている人観る前に見どころ情報をチェックしておきたい人ことも考え、ネタバレしないように配慮しています。

この映画は、楽しく面白い作品ですが、それだけではなくて、”大人になるって何だろう?”という深遠なテーマも同時に私たちに提示してきます。そんな奥行のあるこの作品を、より味わい深く鑑賞するための予習情報を、この記事で仕入れておきませんか?

目次

ジャッジタイム (ネタバレなし)

この映画を観続けるか、見限るかを判断するジャッジタイムですが、

  • 上映開始から19分10秒の時点をご提案します
19分10秒

ここまでご覧になると、この映画のテースト、そして主人公ジョッシュの身に何が起こったのか、そして彼はその状況にどう対処しようとしているのかが見えて来るので、その先を観続けるか判断するのに十分な情報が得られると思います。

概要 (ネタバレなし)

この作品の位置づけ

「ビッグ」(原題:Big) は、1988年に公開されたハートフル・コメディ映画。13歳の少年が、”大きく (Bigに)” なりたいと望んだら、一夜にして”大人” になってしまった騒動をコミカルに描いた作品。

監督は、本作品が監督二作目となるペニー・マーシャル。彼女は監督デビュー作「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」(1986年) でも、ウーピー・ゴールドバーグ扮する市井の銀行のオペレーターが、ある日突然に東西冷戦のスパイ合戦に巻き込まれる様をコミカルに描いた。

この「ビッグ」(1988年) でもその手腕が発揮されている。少年が早く”大きく”なりたいと願う思春期ならではの心理や、一方で周囲から突然 ”大人” 扱いされることへの戸惑い。社会人の本音と建て前や、「大人にはなぜこんな明確なことが理解できないんだ?」という子供ならではの素朴な疑問など、大人と子供の間に渦巻く多くの矛盾を、ちょっと俯瞰した目線で描くことで、これらをコメディへと昇華して行く。

ペニー・マーシャルは、この「ビッグ」(1988年) の次に「レナードの朝」(1990年) を監督したことも興味深い。試験的な治療方法による病状の劇的な変化に振り回される患者の姿を描いたこの作品にも、「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」(1988年)、「ビッグ」(1988年) で培われた経験が生かされていると思う。

主演のトム・ハンクスは、中身は子供のままで、ある日突然大人になってしまうジョッシュを演じ、成人の容姿に子供の無邪気さを織り交ぜつつ、物語の進行と共に確かな人間的成長を遂げる様を、絶妙なバランスで演じています。トム・ハンクスは、この演技でゴールデングローブ賞の主演男優賞を受賞。

商業的成果

この映画は上映時間104分と、短めの作品です。割とお気軽に鑑賞出来てしまう作品だと思う。1千8百万ドルの製作費に対して、全世界で1億5千2百万ドルを売り上げる大ヒットを記録した。これは、8.4倍のリターンである。

8.4倍のリターン!

あらすじ (19分10秒の時点まで)

ジョッシュ・バスキン(デヴィッド・モスコー)は13歳の少年。彼は、パソコンのロールプレイング・ゲームに夢中になったり、隣家の相棒ビリー(ジャレット・ラシュトン)と、巨乳の女教師の話で盛り上がったり、平均的な思春期なりたての7年生(=日本の中学1年生)だ。そんなジョッシュは、周囲よりマセていてオシャレな美少女、シンシアに憧れている。

ある晩、期間限定開催の遊園地に家族と出かけるジョッシュ。勇気を出して絶叫系マシンに乗ろうとしていると、そこには意中のシンシアが。偶然を装いシンシアに近付きそのアトラクションに一緒に乗ろうとするジョッシュだが、身長が規定の高さに達しておらず、係員から乗車を拒否されてしまい、大恥をかく。

意気消沈したジョッシュは、遊園地の外れで「ゾルター」という古ぼけた占い機を見つけ、吸い寄せられるようにコインを入れる。ジョッシュが、操作ガイドに従い「自分を”Big に”(大きく)してくれ」と願い事を告げると、ゾルターは「お前の願いは聞き入れられた(Your Wish is Granted)」と応答する。

ところが、良く見るとその「ゾルター」機は電源に繋がれていない。不気味に思ったジョッシュは慌ててその場を立ち去る。

自宅に帰り、自分のベッドでスヤスヤと眠るジョッシュ。夜半過ぎまでは正常な姿だったが、朝目覚めたら、何と身体が完全に大人の姿(トム・ハンクス)に変貌を遂げていた。

突然の出来事に狼狽えながらも、ジョッシュは目に付いた父親の服を着て、自宅を抜け出し、大慌てで昨夜の遊園地に向かう。しかし、そこはもう撤収済みのもぬけの殻。仕方が無いので自宅に戻り、母親に事情を説明しようとするも、ジョッシュの成人男性の姿に怯える母親は、目の前の大人ジョッシュを、ジョッシュの誘拐犯だと思い込んでしまう。

取り乱す母親のもとから逃れたジョッシュは、今度は学校に忍び込み、相棒のビリーが1人でいるタイミングを見計らって事情を説明する。どうにかこうにかビリーだけは、何とか状況をありのままに理解してくれ、自分の家から、ジョッシュの身の丈にあった服と、当座の現金を確保して来てくれる。

警察がジョッシュ捜索を開始した彼らの自宅周辺から逃れ、2人は長距離バスに乗ってニューヨークへと脱出する。

果たして、2人は無事に大都会ニューヨークで過ごすことが出来るのだろうか?疑惑の占い機「ゾルター」を見つけることが出来るのだろうか?そして、ジョッシュは無事13歳の身体を取り戻すことが出来るのだろうか…?

見どころ (ネタバレなし)

テンポの良いペニー・マーシャルの演出

上映開始から一番最初に目に付くのは、主人公の少年ジョッシュ・バスキンの描写です。アメリカの、治安の良さそうな地域の一軒家に暮らすこのジョッシュ少年が、どんな家庭環境に育ち、現在どんな精神年齢にあり、そして周囲の人間とどんな関係性にあるのかを、冒頭からのほんの数分の描写でリアルに浮かび上がらせてしまいます。

このテンポの良い演出が、物語の下地をしっかりと作るのと同時に、ストーリー展開のスピード感を高めていきます。ペニー・マーシャル監督の目線って、細かいし、鋭いし、でもとっても優しいし、流石だなぁと感心してしまいます。この冒頭部分の没入感が高いお陰で、皆さんもこの作品の世界に一気に飛び込めると思います。

トム・ハンクスの演技

言うまでもなくトム・ハンクスの演技が素晴らしいです。公開時32歳だった彼は、劇中では30歳の身体の役を演じます。しかし、中身は13歳の少年を演じなければなりません。32歳の体躯を駆使して、13歳の狼狽、13歳の安堵、13歳の不安、13歳の無邪気さを見事に体現していきます。この絶妙なバランスが、この映画の神髄です。

このリアリティこそが、私たちの心を惹きつけ、そして、そのギャップ混在こそが私たちの目を楽しませてくれます。ゴールデングローブ賞主演男優賞は当然だと思います。

更に、物語が進むにしたがって、その表情・態度はどのように変化して行くのか…?まずは、19分10秒のジャッジタイムまでご覧になってみて、好きか嫌いかを判断してみるのはいかがでしょう?

相棒ビリーの存在

劇中で、とんでもないトラブルに巻き込まれる主人公ジョッシュには、隣の家に住む幼馴染ビリー(ジャレット・ラシュトン)が寄り添ってくれます。このビリーが、ストーリーテリングにおいても非常に重要な役割を果たします。というのも、もしこのビリーが居なかったら、この物語は、”ジョッシュ” vs “見慣れぬ世界” という一騎打ちの構図になってしまいます。

しかし、このビリーが居てくれるお陰で ”第三の視座” が設定され、これがある種の客観性を与えてくれます。我々は彼の目を通してジョッシュを眺める、すなわち、少しだけ状況を俯瞰することができるわけです。このアングルのちょっとした違いのお陰で、我々は安全な場所から、このストーリーを“コメディ”として楽しむことができます。

深遠な物語のテーマ

この映画が描く対象は、主人公ジョッシュから見た”大人の世界”です。夏目漱石の「吾輩は猫である」と同じですね。猫の目を通すからこそ見えて来る人間界のように、少年ジョッシュの目を通すからこそ見えて来る”大人の世界”こそが対象な訳です。そして、それがどんなテーマに結びつくか因数分解を試みると、

  1. 大人になることの意味: 主人公ジョッシュが体験する大人の世界は、彼がそれまで想像していたものとは違います。社会人としての責任とか、一筋縄では行かない人間関係を目の当たりにします。“吾輩は少年である”ジョッシュの目を通して、大人の世界、ひいては大人になることの意味は、どんな風に描かれるでしょうか?
  2. 子供には理解できない、大人の奇妙な行動:加えて、職場での政治や、同調圧力等、子供には理解できない大人の奇妙な行動なんかも描かれます。大人の我々は、風刺されてるようで、ちょっと目を覆いたくなる、耳が痛くなるかもしれません。
  3. 子供の純粋さ: ジョッシュの視点は常に純粋で、直感的なものとして描かれて行きます。それが時には新鮮なひらめきをもたらし、ビジネスの成功に繋がることもあります。自分の感情に正直であること、一瞬一瞬を全力で楽しむこと。大人になると忘れがちな、こういう大切なことも思い出させてくれると思います。

ではどうしたら良いのか?これが私たちに突き付けられる、最大のテーマなんじゃないでしょうか。一緒に考えて貰えると嬉しいです。

ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社

ピアノのシーン

このピアノのシーンが、とにかく有名です!このシーンにまでたどり着いた時には、もうこの映画の虜になっていると思います!

まとめ

いかがでしたか?

ネタバレしないように、この映画の概要、見どころを述べたつもりです。これからこの映画をご覧になる方の有用な予習情報になっていると嬉しいです(あるいは1回観た後に振返って整理できる情報にも)。

この作品に対する☆評価ですが、

総合的おススメ度 4.0 手離しでおススメできる秀作です!
個人的推し 4.5 トム・ハンクスのファンは必見です!
企画 4.0 名探偵コナンの逆。在りそうで無い企画
監督 4.0 テンポが良くてダレない
脚本 3.5 もっとビリーにフィーチャーして欲しい!
演技 4.5 トム・ハンクス過小評価、もっともっと!
効果 3.5 普通に楽しい
こんな感じの☆にさせて貰いました

とにかく手離しでおススメできる秀作です!面白いし、切ないし、それでいて色々考えさせられるし。

観る方の立場に拠って大同小異はあると思いますが、基本的には「そうだよね!」「そうだったよね!」ってリアルタイムで共感したり、忘れていた何かを思い出したりするシーンが多いんじゃなかろうかと思います。

そして、この映画のトム・ハンクスの演技は過小評価されていると思います。もっともっともっと評価されても良いんじゃないだろうか?

あわわっち

今回改めてこの作品を観返しましたが、本当に楽しい映画ですね!

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