話題の記事続編なのに1作目の質を超えた映画5選

【ネタバレなし】セント・オブ・ウーマン/夢の香り (あのタンゴの曲も紹介)

この記事では、アル・パチーノがライバルたち(ロバート・ダウニー・Jr、クリント・イーストウッド、デンゼル・ワシントン)を退けて、第65回アカデミー賞で悲願の主演男優賞を受賞した「セント・オブ・ウーマン」について解説します。日本でも、この映画で一気に市民権を得た、あの”タンゴの曲”も後で解説します!

この映画を観るか迷っている方は、後でご提案する ”ジャッジタイム” までお試し視聴する手もあります。これは映画序盤の、作品の世界観と展開が ”見えてくる” 最短のタイミングのことで、作品が気に入らなかった場合に視聴を離脱する目安タイムです。

もし、この映画が気に入らなかった場合でも、このジャッジタイムで観るのを止めちゃえば時間の損切りができます。タイパ向上のための保険みたいなものです。

この映画を初めて観る方のことも考えて、ネタバレなし で、作品の特徴見どころを書いて行きます。この映画の予習情報だとお考えください。

この映画を観るかどうか迷っている人観る前に見どころ情報をチェックしておきたい人 のことも考え、ネタバレしないように配慮しています。

目次

ジャッジタイム (ネタバレなし)

本作において、見続けるか、離脱するかのジャッジタイムは、

  • 39分30秒を提案したい
39分30秒

150分越えの長編大作において、本格的に物語が転がり始めるのがこのポイントからなので。
是非ここまではお付き合いいただきたい。

概要 (ネタバレなし)

名優アル・パチーノが7度目のノミネートで悲願のアカデミー賞受賞を果たした作品(1993年、本作で主演男優賞に輝く。なお、同年「摩天楼を夢見て」で助演男優賞にもノミネートされていた)。原題:SCENT OF A WOMAN。

本作は、アル・パチーノ扮する盲目の退役軍人フランク・スレードと、クリス・オドネル扮する名門私立高校に通う苦学生チャーリー・シムズが、感謝祭の週末の数日間を共に過ごしていく内に、互いが心に秘めた悩みを理解し、心を通わせていくストーリー

初老の盲目の男性と10代の少年との心の交流という構図に、ニュー・シネマ・パラダイスを思い出す方もおられるかも知れない。

本作においては、その初老の男性は独善的な元陸軍中佐(フランク・スレード)であり、高校生であるチャーリーをまるで自身の部隊に配属されて来た新兵のように扱い、数日間ボストン郊外から連れ回すという流れがあるので、シチリアの片田舎で静かに語らうニュー・シネマ・パラダイスとは異なり、はるかに”動”な作中イベントを通して、心の機微がスクリーンに映し出されて行く。そんな訳で、全編を通して緊張感を保ったまま楽しめる作品だと思う。

見どころ (ネタバレなし)

アル・パチーノの圧巻の演技

まず最初に触れておくべきはやはり、アル・パチーノの盲人の演技。目を見開いたまま瞳を全く動かさない演技に、「この人は本当に目が見えないのではないか?」と見紛うほどの説得力がある。まず間違いなく視聴者は目を奪われることになると思う。アル・パチーノの演技については、最初に登場するシーンから集中して観て頂きたい。

ネタバレなしを誓ってるので一言だけ。タンゴを踊るシーンも出てきますよ!日本でも「Por Una Cabeza」って曲が、タイトルは知らなくてもメロディーは知ってる!って格好で有名になりました。

タンゴと言えばこの曲!

対するクリス・オドネル

では対するクリス・オドネルはどうか?こちらもズバリ、お見事の一言。本作でゴールデングローブ賞の最優秀助演男優賞にノミネートされただけあって、当時21 or 22歳のクリス・オドネルが、当時52歳のアル・パチーノを向こうに回して、”静”の中に一本芯が通った、シナリオが意図した通りの演技を見せてくれる。初老の盲人の動と高校生の静。ともすると静と動が逆でも良さそうな歳の差コンビが、この映画独特の魅力だ

既に異彩を放つフィリップ・シーモア・ホフマン

忘れてならないのが、本作の10数年後に「カポーティ」でやはりオスカーに輝くフィリップ・シーモア・ホフマンが、狡猾でずる賢い高校生をものの見事に演じている点だ。

生前この人は、こういう嫌らしぃキャラクターをやらせたらピカイチだったけど、この頃(当時24歳 or 25歳)からその片鱗があったのね? ホフマン扮するウィリス少年の落ち着かない言動が見事に比較対象になって、オドネル扮するシムズ少年の思慮深さが引き立ってくるので、この組み合わせの動と静にも目を配って欲しいな。

本作のテーマ(主題)は何か?

この映画が扱いたいテーマは何だろうか?
軍人?障害?富?
100人に伺ったら100通りの答えがあって良いと思うんだけど、筆者は「高潔さ (Integrity)」がテーマなんじゃないかなと思ってる

では、人間がその高潔さを保つには何が必要か?
富?名誉?
いや、きっと違う。
もっと内面的なもの。
そんなことにちょっとだけ思いを馳せながら、丁寧に描き出される登場人物の内面を観て頂けると、本作のストーリーがスーッと頭に入って来るんじゃないかと思います。

オシャレ

アル・パチーノ扮するフランク・スレード元中佐は、有体に言って粗野でワガママなオジサンなんだけど、同時に凄くおしゃれなキャラとしても描かれてるんだよね。こんな言い方は今の時代にそぐわないかも知れないけど、その男心(女心?)をくすぐる描写が散りばめられています。時にウィットに富んだ会話、時に有名レストラン、時にオシャレアイテム。楽しんで貰えると嬉しいです。

通信手段

本作では電話を掛けるシーンがたびたび出てくるんだけど、何せこの投稿執筆時から30年前が舞台の映画なので、スマホどころか携帯電話も無い時代背景なんですよね。よって、通話発信が個対個じゃないんですよ。あくまでも固定された場所から固定された場所に掛けるイメージなんですよね。なので、年代によって受け止め方は異なると思うけど、当時の電話はあんなだったんだなーっていうのも、ストーリー上の1つの見どころかも知れません。

出演:アル・パチーノ, 出演:クリス・オドネル, 出演:ガブリエル・アンウォー, 出演:フィリップ・シーモア・ホフマン, 出演:ブラッドリー・ウィットフォード, Writer:ボー・ゴールドマン, 監督:マーティン・ブレスト, プロデュース:マーティン・ブレスト

その他の情報

筆者のおススメ度合いは、 4.0/5.0 です。
是非見て頂きたい作品なのですが、障害者を題材に扱うことの難しさと、ストーリーでちょっと納得の行かない箇所があることからこの☆です。

アカデミー主演男優賞(アル・パチーノが7度目のノミネートで悲願のオスカー!)を受賞。ちなみに、作品賞、監督署、脚色賞にノミネートされていた。

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