この記事では、1996年公開の「スリーパーズ」に出演した子役キャスト(子役俳優)たちの、現在の活躍ぶりを追ってみたいと思います。
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「スリーパーズ」は、少年院に収監された少年たちに対する、悪徳看守による性的虐待が映画のテーマであったため、その少年たちを演じた子役俳優に大きな注目が集まりました。この記事では、主要な役を演じた4人の子役たちが、その後どんなキャリアを積んで、今現在はどんな立場にいるのかをまとめてみます。
4人とも映画公開時は14歳。(生きていれば)2023年現在、41歳になっている筈です。
なお、ネタバレなし で、この「スリーパーズ」の見どころ、予習情報を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
「スリーパーズ」という映画の、どこまでが実話で、どこからがフィクションなのかに特化した検証をお知りになりたい方は、こちらの記事ご覧ください(※ ネタバレ情報を含みます)。
それでは見て行きましょう!以下の表の順番で述べて行きます。
役名 | 少年時代 | 青年時代 |
シェイクス (ロレンツォ・カルカテラ) | ジョー・ペリーノ | ジェイソン・パトリック |
マイケル・サリバン | ブラッド・レンフロー | ブラッド・ピット |
ジョン・ライリー | ジェフリー・ウィグダー | ロン・エルダード |
トーマス”トミー”・マルカノ | ジョナサン・タッカー | ビリー・クラダップ (ビリー・クルーダップ) |
Joseph ”Joe” Perrino – ジョー・ペリーノ
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1995年に出版されたこの映画の原作である”Sleepers” は、原作者ロレンツォ・カルカテラの自伝的小説なので(≒ ということになっているので)、当然のことながら原作者自身を投影したキャラクターが作中に登場します。それが、”ロレンツォ・カルカテラ”、通称”シェイクス” です。
このキャラクターの少年時代を演じたのは、ジョー・ペリーノ (Joseph “Joe” Perrino) でした。映画公開時14歳。
彼はこの1996年の「スリーパーズ」のシェイクス役が実質映画デビュー作で、雑誌ピープル誌が選ぶこの年の「若手主演俳優」、「ドラマ映画の若手俳優」部門にノミネートされる程の高い評価を受けました。
ジョー・ペリーノのその後の主な活動としては、
- 1998年
- シャロン・ストーンやキーラン・カルキン(マコーレー・カルキンの弟)が出演する「マイ・フレンド・メモリー」(原題: The Mighty) に出演したり
- 1999年
- 「The Bumblebee Flies Anyway」で、末期ガンに苦しむ Mazzo 役を演じたりしました
この後活動を休止し、
- 2007年
- 大ヒットドラマ「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」(原題: The Sopranos) に出演し、本格的カムバック(俳優復帰自体は2006年にしていた)
その後も、映画、TVシリーズにコンスタントに出演して、現在に至るという感じです。
Brad Renfro – ブラッド・レンフロ
「スリーパーズ」で、”シェイクス”と同様に重要な役である”マイケル”役を演じたのが、ブラッド・レンフロです。映画公開時14歳。
この映画をご覧になったことが無い方でも、このマイケル役の成人後を演じたのがブラッド・ピットだと聞けば、如何にこのキャラクターがストーリー上で重要だったか容易に想像が付くのではないでしょうか。このブラ – ブラ・コンビが、この映画の最大の華でもありました。
ブラッド・レンフロの「スリーパーズ」以前のキャリアは、
- 1994年
- 「依頼人」(原題: The Client) で映画デビュー。ジョン・グリシャム原作のスリリングな映画で堂々の演技(映画協会が選ぶ Young Artist 賞を受賞)
- 1995年
- 「マイ・フレンド・フォーエバー」(原題: The Cure) で、HIVに侵される親友に寄り添うちょっとヤンチャな少年を熱演。人気を不動の物に(ハリウッド・レポーター誌が選ぶ YoungStar賞)
- 「トム・ソーヤ―の大冒険」(Tom and Huck) では、ハックルベリー・フィン役を好演。
と、ロケットスタートとも言える俳優キャリアの幕開けで、そこで満を持して「スリーパーズ」に登場。大きな存在感を示しました。
その後も年に1本~5本のペースで映画を中心に活躍。特に
- 1998年
- 東京国際映画祭で 、「ゴールデン・ボーイ」(原題:Apt Pupil) での演技でBest Actor 賞受賞
- 2003年
- ニューヨーク国際インディペンデント映画祭で、「The Theory of the Leisure Class」での演技で Best Actor 賞を受賞
- 2004年
- セドナ国際映画最で、監督賞を受賞
- ブレッケンリッジ映画祭で、「Mummy an’the Armadillo」での演技で Best Ensemble Cast 賞を受賞
- 2008年
- AOF 国際映画祭で、「Collector」での演技で Best Actor 賞を受賞
と、安定して高い評価を得続けていました。
しかし、その裏では、未成年飲酒、飲酒運転、コカイン、マリファナ、ヘロインの所持や、購入未遂で度重なる逮捕。予定されていた薬物治療プログラムへの参加も完遂しないなど、私生活は荒れる一方でした。
そして遂に、2008年1月15日に、ヘロインの過剰摂取により自宅で急死。享年25歳の早すぎる死でした。
遺作は、2008年の「インフォーマーズ セックスと偽りの日々」(原題:The Informers) となりました。
Geoffrey Wigdor – ジェフリー・ウィグダー
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ヘルズ・キッチンの悪ガキ4人組の中で、後にギャングになってしまう少年の1人”ジョン”を演じたのがジェフリー・ウィグダーでした。映画公開時14歳。
TVドラマやTV CMに出演していたジェフリー・ウィグダーは、映画出演2本目が「スリーパーズ」でした。
彼は「スリーパーズ」(1996年) に出演後、映画にも出演し続けますが、どちらかと言うとTVドラマへの出演でキャリアを形成して行ったようです。有名どころで言うと、
- 2000年
- 「ロー&オーダー」(原題: Law & Order)Keith Taylor 役
- 2001年
- 「ロー&オーダー:性犯罪特捜班」 (原題:Law & Order: Special Victims Unit) Jesse Kleberg 役
- 「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」(原題: The Sopranos) Little Bruce 役
- 2005年
- 「ER 救急救命室」 (原題: ER) Anthony 役
- 2008年
- 「ロー&オーダー:性犯罪特捜班」 (原題:Law & Order: Special Victims Unit) Donald ”Dizzer”Zuccho 役
となります。
2014年より後の活動履歴は見つかりませんでしたので、実質上引退状態にあるようです。
「スリーパーズ」撮影時に撮った、少年4人組とロバート・デ・ニーロとの貴重な1枚もあります。
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Jonathan Tucker – ジョナサン・タッカー
現在も相変わらずイケメンで、かつムキムキ細マッチョになっているタッカーさん、その鍛え上げられた身体を、Instagramで惜しみなく披露しています。
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4人組で、ギャングになってしまうもう1人の少年”トミー”を演じたのが、ジョナサン・タッカーでした。映画公開時14歳。
ジョナサン・タッカーにとって「スリーパーズ」は、3本目の映画出演でした。
彼は「スリーパーズ」(1996年) に出演後、
- 2000年
- 「Hな彼女の見つけ方 マシューの童貞卒業物語」(原題: 100 Girls) に主演
- 2003年
- 「テキサス・チェーンソー」(原題: The Texas Chainsaw Massacre) という「悪魔のいけにえ」(1974年) のリメイクに主要キャラクターとして出演し、興行収入1億700万ドルの大ヒットを記録する
- 2009年
- 「ベロニカは死ぬことにした」(原題: Veronika Decides to Die) で、ベロニカの相手役エドワードを好演
- 2018年
- 「SKIN 短編」(原題: Skin) で、人種差別主義者であるジェフリーを怪演
と、定期的に重要な役どころで映画出演を果たすキャリアを積んで来ています。
「スリーパーズ」関連では、撮影時に撮ったロバート・デ・ニーロとのツー・ショット写真があります。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
- ジョー・ペリーノ
- ブラッド・レンフロ
- ジェフリー・ウィグダー
- ジョナサン・タッカー
のその後のキャリアを追ってみました。
総括すると、残念ながら既に亡くなった者、俳優引退状態にある者、そして現役で続けている者、4人の現在地はそれぞれでしたね。
この記事で述べた内容が、映画「スリーパーズ」の鑑賞を、より味わい深いものにするお手伝いが出来ていれば嬉しいです。
ブラッド・レンフロとリバー・フェニックスの死は、かえすがえす、映画界の大きな損失でしたね…