話題の記事続編なのに1作目の質を超えた映画5選

【ネタバレなし】ターミネーター (20世紀最高のおすすめB級映画)

この記事では、ターミネーター・シリーズの記念すべき第1作目「ターミネーターについて解説します。予算の限られたB級映画がどういういきさつを辿って芸術作品に昇華されたのか?。若き日のジェームズ・キャメロンの英知アーノルド・シュワルツェネッガーの思惑、この辺りにも触れながら考察を加えて行きます。

この映画を観るか迷っている方は、後でご提案する ”ジャッジタイム” までお試し視聴する手もあります。これは映画序盤の、作品の世界観と展開が ”見えてくる” 最短のタイミングのことで、作品が気に入らなかった場合に視聴を離脱する目安タイムです。

もし、この映画が気に入らなかった場合でも、このジャッジタイムで観るのを止めちゃえば時間の損切りができます。タイパ向上のための保険みたいなものです。

この映画を初めて観る方のことも考えて、ネタバレなし で、作品の特徴見どころを書いて行きます。この映画の予習情報だとお考えください。

この映画を観るかどうか迷っている人観る前に見どころ情報をチェックしておきたい人 のことも考え、ネタバレしないように配慮しています。

目次

ジャッジタイム (ネタバレなし)

本作品における、そのまま見続けるか、ここで見るのを止めるかのジャッジタイムですが、

  • 上映開始から、27分30秒をご提案します
27分30秒

全体が108分の映画なので、ちょうど1/4 の時点で判断頂くことになります。ここまで観ることで、この作品の「世界観」「空気感」「ストーリーの設定」が掴めると思うので、判断を下すのに適した地点だとおススメします。

概要 (ネタバレなし)

この作品の位置づけ

ターミネーターは、1984に公開されたSFアクション映画(日本公開は1985年)。ターミネーター・シリーズは、この後複数の世界線を描く幾つかの続編へと発展して行くが、本作がその起点となる記念すべき第1作目である。ジェームズ・キャメロンが脚本と監督を務めている。このことからも分かるようにキャメロンの個性が色濃く反映されたキャメロン・オリジナル作品である。ゲイル・アン・ハードが脚本の共著と、製作を務めている(2人は本作完成後結婚している)。

本作の概要としては、以下の3つのポイントがある。

  1. ターミネーター(高度な人工知能、頑丈・屈強な肉体、人間と区別が付かない外見を持ち、人類を絶滅させる為に開発されたサイボーグ)と生身の人間の戦いが描かれる
  2. 1980年代当時の世界情勢は東西冷戦真っ只中。これが物語の下敷きとなっており、冷戦の最悪な結末は核戦争。核戦争が行き着く先は、人工知能が人類を支配するという潜在的な恐怖が物語の背景
  3. ターミネーターと、ターミネーターの存在を知る兵士が、人類にとって過酷な未来(2029年)から平穏な現在(1984年)に送られて来て事件を起こすというタイムトラベル物の側面もある

主演のアーノルド・シュワルツェネッガーと作者のジェームズ・キャメロンに一躍世界的な名声をもたらした作品。特に、シュワルツェネッガーのケースでは、悪役なのにタイトルキャラクターとして主人公扱いという特殊な状況が起き、その憎たらしい冷徹不気味な敵役の演技が物凄く印象的で高い人気を呼んだ。

あわわっち

シュワちゃんのターミネーターというキャラは、この後本シリーズのみならずSFアクション映画のアイコンになって行くよね

芸術的評価

この映画は、「アメリカ国立フィルム登録簿」(National Film Registry) に登録されている。これは、連邦政府国立フィルム保存委員会(The United States National Film Reservation Board)が毎年25作品を選定するもので、本作品が、アメリカの文化的、歴史的、芸術的に、後世に多大な影響を与えたことが公的機関からも認められた証である。

この事実からも、本作が20世紀最高のおすすめB級映画だということを、ご納得いただけるのではないだろうか?

見どころ (ネタバレなし)

独創的な世界観

とにかく、世界観の設定とストーリーが面白い!本作品は、なんだかんだ言ってこの一点に尽きるんじゃないかな。構想段階のジェームズ・キャメロンはまだ知名度も実績もなかったが、書き上げた脚本を映画会社に持ち込んだら高い評価を得て、その後自らが監督して製作できることになった。それはひとえにこの世界観と設定の面白さだと思う。

あわわっち

自身を主役に据えないと映画化させないと「ロッキー」の脚本を持ち込んだシルベスター・スタローンの話とちょっと似てるよね

37歳のシュワちゃんに舞い込んだ最大のハマり役

そして、アーノルド・シュワルツェネッガーのキャリア代表作となるハマり役を楽しんでください!背景として知っておくべきことは、

  1. 当時のシュワルツェネッガーは前主演作「コナン・ザ・グレート」のヒット(製作費2千万ドル、全米4千万ドルの売上)があり、一定の名声は得ていた
  2. しかし当時既に37歳の本人的には、肉体派を卒業し、もっと演技力で勝負する俳優のキャリアを目指していた
  3. ところが、オーストリア出身ということもあり英語が得意ではなく、なかなか望んだ役につけていなかった

そんな折に、この「ターミネーター」でのT-800という擬人化サイボーグの役は、台詞の絶対数も少なく長台詞も無い代わりに、冷静寡黙な表情にダイナミックな肉体アクションを組み合わせるという組み合わせの妙が、ターゲット抹殺というミッションを執拗に果たそうとするキャラクター像を作り上げている

あっつ

ここからシュワちゃんの快進撃が始まることになるんだけど、皆さんの目にはどんな風に映るかな?

僅か6.4百万ドルという低予算

既に軽く触れたように、当時のジェームズ・キャメロンは、潤沢な製作費を投入できる立場に無かった。そこで本作では、

  1. 平穏な現代のありふれた日常に、殺人マシンが未来から湧いて出てきて混乱を巻き起こす設定にする
    • SF映画に付き物の大規模な特殊セットを大量に準備する必要が無くなった
  2. むき出しの金属サイボーグも、破損するとシャキシャキ歩くことが出来なくなる設定にする
    • 金属サイボーグが滑らかに歩く全身を、モーション撮影(←1コマ1コマ撮影する手間がかかる)で描写する機会を減らせた
    • 等身大だが上半身だけの金属サイボーグを用い、寄りのカットでアニマトロにクス撮影を行うことで代替した

というような工夫がなされている。予算の制約を、撮影の品質低下に直結させるのではなく、むしろストーリーの設定に反映させることで新たなリアリティを生もうとするその姿勢に、豊かなクリエイティビティを感じる。こうして全世界で78百万ドルという興行成績(予算の12倍以上!)を上げた。

あわわっち

こんなイキサツもあったのねと、ちょっと頭に置きながら鑑賞して頂けると、また一味違った楽しみ方ができるのではないでしょうか?

出演:アーノルド・シュワルツェネッガー, 出演:マイケル・ビーン, 出演:リンダ・ハミルトン, 出演:ポール・ウィンフィールド, 出演:ランス・ヘンリクセン, 監督:ジェームズ・キャメロン
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その他の情報

筆者の本作に対するおススメ度合いは、 4.5/5.0 です。

あまりおススメではない要素は、当映画の元々の出自がB級映画である点。その結果全体的にやや安っぽさを感じさせる暗めの画面で構成される。また、暴力シーンが出てくることも気になるところ。この2つの点は好みが分かれるところだと思う。それらを除けば、強くお勧めできる作品です!上映時間も108分と非常にコンパクトなので、既述のように冒頭の27分間を観て好き嫌いを判断して貰った上でご覧になれば、タイム・パフォーマンスの極めて高い作品になると思う。

ジェームズ・キャメロンは、本作を一緒に作ったゲイル・アン・ハードと映画完成後に結婚した。しかし、その後離婚し、別の女性との結婚・離婚を挟んだ後、本作のサラ・コナー役に採用したリンダ・ハミルトンと結婚した。その離婚後別の女性と結婚して現在に至る。高校の同級生との初婚もあるので、生涯で5回結婚している(4回離婚している)。

あわわっち

ジェームズ・キャメロン: 公私混同。そして、趣味結婚、特技離婚の男www

あっつ

本作では「祖父殺しのパラドックス」はあまり考慮されていないような気がするが、そこはあんまり気にしなくて良いのかな?

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