話題の記事続編なのに1作目の質を超えた映画5選

【ネタバレなし】ターミネーター2 (シュワちゃんのスピンコックが映える)

この記事では、ターミネーター・シリーズの2作目「ターミネーター2について解説します。B級映画だった前作「ターミネーター」からどんな進化を遂げたのか?美少年子役、エドワード・ファーロングがどんな衝撃映画デビューをしたのか?当時大いに話題となったシュワちゃんのショットガン・スピンコックにも触れます。

この映画を観るか迷っている方は、後でご提案する ”ジャッジタイム” までお試し視聴する手もあります。これは映画序盤の、作品の世界観と展開が ”見えてくる” 最短のタイミングのことで、作品が気に入らなかった場合に視聴を離脱する目安タイムです。

もし、この映画が気に入らなかった場合でも、このジャッジタイムで観るのを止めちゃえば時間の損切りができます。タイパ向上のための保険みたいなものです。

この映画を初めて観る方のことも考えて、ネタバレなし で、作品の特徴見どころを書いて行きます。この映画の予習情報だとお考えください。

この映画を観るかどうか迷っている人観る前に見どころ情報をチェックしておきたい人 のことも考え、ネタバレしないように配慮しています。

目次

ジャッジタイム (ネタバレなし)

本作品における、見続けるか、止めるかを判断するジャッジタイムですが、

上映開始から28分30秒をご提案します

28分30秒

ここまで観ると、主要登場人物の置かれた状況、関係性が分かる、すなわち、ストーリー設定が解る1回目のチェックポイントだと思うからです。

概要 (ネタバレなし)

「ターミネーター2」は、1991年に公開されたSFアクション映画。1984年に公開された「ターミネーター」の続編である。ジェームズ・キャメロンが、製作、脚本、監督を担当(脚本はウィリアム・ウッシャーと共著)。このことからも分かるように、ジェームズ・キャメロンの創造性が存分に発揮・反映されているキャメロン・オリジナル作品である。ターミネーター・シリーズは、3作目以降複数の製作元が作る複数の世界線へとストーリーが派生して行くが、このシリーズ2作目までは、原案を創造したジェームズ・キャメロンが脚本・監督を担っている正統作品と言うことが出来ると思う。

本作の概要を掴むためには、以下の3点を理解しておく必要がある。

  1. ターミネーター(=高度な人工知能、人間を超える屈強な肉体、外見は人間と区別が付かないという特徴を持つ)と呼ばれる、人類を絶滅させるために開発された殺人サイボーグが登場する
  2. 映画公開年の1991年はソビエト連邦崩壊の年であるが、製作開始時の1990年は東西冷戦終結の前であり、核戦争が人類にもたらす甚大なる被害を世界観の下敷きとしており、副題の「Judgement Day」は、本作の世界線で核戦争が勃発する近未来、1997年8月29日を指している(1949年8月29日は実際の歴史上でソ連が初めて原爆の実験を行った日)。
  3. 2029年の世界(=スカイネットという人工知能システムが統合制御するターミネーター軍団と、核戦争後も生き残った人類が組織する抵抗軍とが、生き残りを賭けた死闘を繰り拡げている)から、抵抗軍のカリスマリーダーを幼少期の内に殺害すべく、タイムマシンでターミネーターが1994年の世界に送り込まれてくるというタイムトラベル物の側面もある

前作から7年の時を経て(注: 劇中の世界線では10年後の世界を描いている)、待ちに待った待望の続編である。製作費は1.2億ドル(前作は6.4百万ドル)で、全世界で5.2億ドル(製作費の5倍以上!)を売り上げた超大ヒット映画である。アカデミー賞も、効果系のみではあるが4部門を受賞しており、商業的にも、芸術的にも非常に高い評価を受けた作品と言える。

あわわっち

公開当時大学生だったけど、「T2」というエイリアスと、シュワちゃんのターミネーターのビジュアルに公開前から超ワクワクだった

見どころ (ネタバレなし)

相変わらずの独創的な世界観

この2作目も1作目に引き続き、世界観の設定とストーリーが面白い!見どころのド本丸はやはりここ

1作目をご覧になった方ならお解りかと思うが、1作目のストーリーが完結したからと言って、核戦争の脅威が取り除かれた訳ではなかった。よって、2029年の暗黒世界からターミネーターが再び送り込まれてくることはある種の必定な訳で、本作でもストーリーの根幹はそこである。

ただし、似たような話を再生産したくなかったジェームズ・キャメロンは、今度はターミネーターが少年を狙うという設定を思い付き、ここを軸にシナリオを発展させている。今はか弱き少年なんだけど、数十年後は抵抗軍のカリスマリーダーになるという叙事詩的な香りが、この作品を単なるドンパチだけのアクション映画からヒューマンストーリーに引き上げてくれてるのよね。是非、その辺りをたっぷりとお楽しみください!

あっつ

幼少期か弱く見えた美少年が、成長した後タフなボスへと成長する。ちょっとゴッドファーザー PartⅡのビトーに見る哀愁を感じる・・・

天才エドワード・ファーロング現る

そして、その少年ジョン役には、この映画に出演するまで演技の経験が全くなかったというエドワード・ファーロングが大抜擢されている。この俳優の演技がとても良い!きっとプロの目から見たら細かい演技のテクニックに沢山注文を付けたくなるんだろうけど、宿命により困難な状況に放り込まれるもそれに対応しようとするジョン少年の境遇と、何とかこの大作映画の撮影に対応しようとするエドワード少年の境遇が上手いこと重なったのだろうか?

あわわっち

この後、俳優としてのキャリアをガンガン伸ばして行くと思ったのになぁ・・・

サラ・コナーの変貌

リンダ・ハミルトン扮するサラ・コナーは、劇中で担う役割が前作から大きく変更されたのに伴い、徹底的に鍛え上げられた身体で本作に登場してくる。何でも、この「T2」でのサラのキャラクターについてのアイデアを、キャメロン監督から聞かされて飛びつき、別の映画への出演予定を断って本作にのめり込んだとか。前作のか弱いながらも芯の強い女子大生から、外見も中身も強い女性への変貌ぶりに注目頂きたい。その役作りの気合いのお陰で、スカイネットに抵抗する人類の力強さが示唆され、本作品のストーリーに物凄い説得力が出てきます!

アイコンとしてのシュワちゃん

前作で「T-800型のターミネーター」という、キャリア随一のハマり役を掴んだアーノルド・シュワルツェネッガー。今作ではそのキャラクター像をどう磨き上げて行くのか? 44歳にして、SFアクション映画のアイコンとしての地位を決定付けた演技にご注目ください。映画公開後、このキャラクターが発した幾つかの台詞も、日常会話のお約束のジョークになったぐらいの大ヒットでした。

あわわっち

ショットガンを片手で装填する動きが、サイボーグ感満載で超カッコイイんだけど、あれは「スピンコック」という動きでジョン・ウェインへのオマージュなんだって!

流体金属の描写は ILM のテクノロジーの賜物

少しネタチラしますが、本作には身体が流体金属になっているターミネーターが出てきますね(モデルT-1000型)。これってジェームズ・キャメロンの前作「アビス」に登場する、空間上で流動的に変形する海水の像の発展形ですね。実はこれらは、ジョージ・ルーカスが作ったILM(Industrial Light & Magic)という特殊撮影専門会社の支援を受けて、1990年代当時最先端のCGによって描写されているものです。「アビス」に引き続き「T2」でもデニス・ミューレンと言う人が担当しています。詳しくは、Disney+の「Light & Magic」というドキュメンタリーの第5話「モーフィング」という回で詳しく解説されています。

予算削減のために双子が!

一方で、当時CG技術はふんだんに使用するには、まだまだ製作費を圧迫するテクノロジーで、CGで描写するカットをなるべく減らしたそうです。特に、同じ人物が2人同時に画面に現れるようなシーンが幾つか出てくるのですが、そのうち2つのシーンは、双子の俳優さんを起用することでCGの使用を抑制したとのこと(2組の双子が起用されているということ)。

あわわっち

ストーリーを追うことには直接関係しませんが、こんなトリビアも知っていると面白さが増すかなと思って。

出演:アーノルド・シュワルツェネッガー(玄田哲章/津嘉山正種), 出演:リンダ・ハミルトン(日野由利加/吉田理保子/駒塚由衣), 出演:エドワード・ファーロング(近藤玲子/浪川大輔/田中真弓), 監督:ジェームズ・キャメロン
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その他の情報

筆者の本作に対するおススメ度合いは、 4.5 /5.0 です。

あまりおススメではない要素は暴力シーンだけですね。これはどうしても好き嫌いが分かれるところだと思うので。そこを除けば手放しでお勧めしたい作品です。ワクワクするし、引き込まれるし、驚かされるシーンが満載だし、オマケにホロって来るシーンもあるしね。137分の上映時間が全く長く感じません

アカデミー賞の最優秀メイクアップ賞、最優秀視覚効果賞、最優秀音響賞、最優秀音響編集賞と、計4部門を獲得しています!

このターミネーター・シリーズの続編製作には裏話があります

  1. 6年も要した2作目製作
    • まず1作目公開から2作目製作までに6年も時間を要したのは、1作目は複数の資本が投入されて製作に漕ぎ着けた(要は、当初は資金集めに苦心したB級映画だった)。
    • よって、続編の映画化権も複数の投資者に分散して保持されていた。これを、本第2作の製作総指揮を担当したマリオ・カサールが買い集めるのに苦労したから時間が掛かった。
  2. 3作目以降シリーズに関わらなくなったジェームズ・キャメロン
    • 3作目以降、ジェームズ・キャメロンが製作に携わらなくなったのは、商標権の観点からターミネーター・シリーズと縁が切れたから。
    • 元々1作目の脚本を描いたのは、ジェームズ・キャメロンと、1作目、2作目の製作に携わってきたゲイル・アン・ハード(1作目と2作目の谷間の期間にキャメロンの妻だった)。
    • キャメロンは1作目の脚本をハードと書き上げた時に、自分の権利の持ち分をハードに1ドルで譲り渡してしまっていた。ハードも1990年代に2人分の権利を製作会社に転売してしまった。
    • こうして映画化権が第3者の手に渡ってしまい、キャメロンはターミネーター・シリーズの製作から長らく離れることになっちゃった

あわわっち

主題歌、Guns N’ RosesのYou Could Be Mine も超カッコいいです!

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