この記事でご紹介する「キャプテン・フィリップス」は2013年公開の伝記映画。2009年に起きたアフリカ・ソマリア海賊によるアメリカ商船襲撃・人質事件を描いた実話に基づく物語。この事件で海賊の人質となった実在の船長、リチャード・フィリップスをトム・ハンクスが演じている。
監督は、ジェイソン・ボーン・シリーズで高い評価を得たポール・グリーングラス。グリーングラス監督らしい、臨場感の高い演出により、全編に渡って緊迫感が続くシリアスな作品となっている。
この映画を観るか迷っている方は、後でご提案する ”ジャッジタイム” までお試し視聴する手もあります。これは映画序盤の、作品の世界観と展開が ”見えてくる” 最短のタイミングのことで、作品が気に入らなかった場合に視聴を離脱する目安タイムです。
もし、この映画が気に入らなかった場合でも、このジャッジタイムで観るのを止めちゃえば時間の損切りができます。タイパ向上のための保険みたいなものです。
この映画を初めて観る方のことも考えて、ネタバレなし で、作品の特徴、あらすじ(ジャッジタイムまでに限定)、見どころを書いて行きます。この映画の予習情報だとお考えください。
この映画を観るかどうか迷っている人、観る前に見どころ情報をチェックしておきたい人 のことも考え、ネタバレしないように配慮しています。
本作は、ヒーロー物でもアクション物でもない。エンタメ作品とは一線を画す作風。実話をベースに、ソマリア海賊によるアメリカ人船長人質事件の顛末をリアルに描いた秀作。
「期待してたのと違った」とならないように、本編をご覧になる前にこの記事で予習して行きませんか?
ジャッジタイム (ネタバレなし)
この映画を観続けるか、見限るかを判断するジャッジタイムですが、
- 上映開始から29分30秒のタイミングをご提案します。
この辺りまでご覧になると、当時のソマリア、およびアフリカ大陸東岸の全体的な状況が分かり、かつアメリカ商船とソマリア海賊がどういう状況下に置かれていたのかが掴めます。
この映画テーストが好きか嫌いか、この先も観続けたいと思うかをご判断いただくのに最短のタイミングではないかと思います。
概要 (ネタバレなし)
この作品の位置づけ
「キャプテン・フィリップス」(原題:Captain Phillips) は、2013年公開の伝記映画。2009年にアフリカ大陸東岸沖でソマリア海賊によって起こされた、アメリカ商船マースク・アラバマ号乗っ取り事件を描いた実話に基づく物語。そのアラバマ号の実在の船長リチャード・フィリップスをトム・ハンクスが演じている。
監督を務めるのはポール・グリーングラス。グリーングラスは、マット・デイモン主演のジェイソン・ボーン・シリーズの、2作目「ボーン・スプレマシー」以降の監督を務め大ヒットを記録した監督。
# | 作品名 | 公開年 | 製作 | 脚本 | 監督 |
1 | ボーン・アイデンティティー (主演:マット・デイモン) | 2002 | ダグ・リーマン パトリック・クローリー リチャード・N・グラッドスタイン | トニー・ギルロイ ウィリアム・ブレイク・ヘロン | ダグ・リーマン |
2 | ボーン・スプレマシー (主演:マット・デイモン) | 2004 | パトリック・クローリー フランク・マーシャル ポール・L・サンドバーグ | トニー・ギルロイ ブライアン・ヘルゲランド | ポール・グリーングラス |
3 | ボーン・アルティメイタム (主演:マット・デイモン) | 2007 | パトリック・クローリー フランク・マーシャル ポール・L・サンドバーグ | トニー・ギルロイ スコット・Z・バーンズ ジョージ・ノルフィ | ポール・グリーングラス |
4 | ボーン・レガシー (主演:ジェレミー・レナ―) | 2012 | パトリック・クローリー フランク・マーシャル ベン・スミス ジェフリー・M・ワイナー | トニー・ギルロイ ダン・ギルロイ | トニー・ギルロイ |
5 | ジェイソン・ボーン (主演:マット・デイモン) | 2016 | フランク・マーシャル マット・デイモン ポール・グリーングラス グレゴリー・グッドマン | ポール・グリーングラス クリストファー・ラウズ | ポール・グリーングラス |
グリーングラス監督の演出には特徴があり、ハンドヘルド・カメラとズームアップを多用することで、観客がその場に居ると錯覚するような臨場感を作り出すことで知られ、本作「キャプテン・フィリップス」でもその技能が遺憾なく発揮されている。
原作本の存在と映画化作業
この映画には原作本が存在する。それは、リチャード・フィリップス船長本人が、ライターのステファン・タルティと共同で執筆した「キャプテンの責務」(原題:A Captain’s Duty: Somali Pirates, Navy SEALs, and Dangerous Days at Sea) である。本作「キャプテン・フィリップス」は、2010年に出版されたこの回想録を原作としている。
ポール・グリーングラスは、上記回想録を基にビリー・レイが執筆した初期脚本に、大幅に手を加えたことをインタビューで明かしている。具体的には、
- 映画は海上での出来事に焦点を当てるべく、フィリップス船長と妻とのやりとりは大幅に割愛した。この作業にはトム・ハンクスの意見も取り入れている
- 本物の船員への取材を通じて、特定状況下における対応プロトコル (accommodating to reality) を学び、これを脚本の該当部分に埋め込んだ
- 世界的な海運・船舶事情と海賊行為についての関係性を脚本に盛り込み、グローバル経済の中での事件という色を強調した
このように徹底したリサーチに基づく脚本によって、本作は単なるエンタメ作品とは一線を画した、ヒーロー物でも、アクション物でもない、リアリティ重視の作風に仕上がっている。
事件の背景 – ソマリア海賊について
本作は、アメリカ船籍の商船が、ソマリア沖でソマリア海賊に乗っ取られたことに端を発する人質事件を描いている。では何故、このような事件が起きたのだろうか?なぜ、ソマリアには海賊が多数出現したのだろうか?背景を簡単に整理してみたい。
ソマリア海賊へ武器を供与したり、彼らを組織化していた黒幕については諸説あるようだが、一般的にソマリア海賊の実体は、元々ソマリアで漁業を営んでいた漁師であったと考えられている(これは本作でも踏襲されている)。
ソマリアの漁師たちは海賊になる前は、マグロを中心とした漁業で生計を立てていた。ソマリアには魚を大量消費する食文化はないが、獲れた魚を輸出に回すことで、外貨獲得の有効な手段となっていた。
一方で政治に目を向けると、1969年から軍人出身のモハメド・シアド・バーレ大統領が実権を掌握してきたが、1991年にクーデターでバーレ政権は崩壊。しかし、この後を受けて樹立された暫定政府は内戦を収めることが出来ず、ソマリア国内は無政府状態が恒常化する。
こうなると、魚の加工処理や流通網が十分に機能しなくなり、十分なマグロが輸出できない。自ずと漁業は停滞する。空白地帯となった漁場は外国漁船の遠洋漁業に乱獲される。ますます漁業は停滞するという悪循環。
こうして貧困化した漁師たちは犯罪に手を染めるようになり、そこに中東オマーン、イエメンから自動小銃(AK-47)が入って来て海賊として武装化していく、という背景があった。
評価
Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)では、93%とこの上なく高い支持率を得ている(Rotten Tomatoesでは60%以上が『新鮮』、60%未満が『腐っている』という評価)。そして総評においても、”スマートで力強い演技、そして信じられないほどの緊張感を持つ『キャプテン・フィリップス』は、映画ファンにハリウッド伝記映画の正しい例を示し、トム・ハンクスにまた一つ素晴らしい演技を披露するショーケースを提供している” と、評されている。
要は、実話に基づく伝記映画として、素晴らしい出来栄えと評されている。
商業的成功
この映画の上映時間は134分である。緊張感が持続する作風なので、決して飽きることはないと思うが、その分、観終わった時にはドッと疲れているかも知れない。
製作費5千5百万ドルに対して、世界興行収入は2億1千7百万ドル。実に3.95倍のリターンである。
エンタメ色を排し、これだけのシリアス路線で、これだけのヒットを記録するのは、トム・ハンクスのネームバリューと、ポール・グリーングラス作品の品質の高さに依るものなのではないだろうか?
キャスト(登場人物)
この映画は、海賊による商船乗っ取り事件を描いているため、キャストはかなり多い。しかし、複雑な人間関係が入り乱れるようなストーリーではなく、各登場人物はどの集団に属しているかが服装で容易に見分けが付くので混乱は無いと思う。
役名 | 俳優 | 役柄 |
リチャード・フィリップス船長 | トム・ハンクス | 主人公。マースク・アラバマ号の船長 |
アンドレア・フィリップス | キャサリン・キーナー | リチャードの妻。看護師 |
アブディワリ・ムセ | バーカッド・アブディ | 海賊のリーダー。元はソマリアのエイルで漁師だが、村の最高指導者に海賊を強要される |
アダン・ビラル | バーカッド・アブディラマン | 海賊の最年少メンバー。ムセに同行して海賊行為を行う |
ノール・ナジェ | ファイサル・アメッド | 海賊のメンバー。短期で気性が荒い強硬派 |
ワリド・エルミ | マハト・M・アリ | 海賊のメンバー。比較的穏やかな性格 |
シェーン・マーフィー | マイケル・チャーナス | マースク・アラバマ号の副船長 |
ケン・クイン | コーリイ・ジョンソン | マースク・アラバマ号の操舵手 |
マイク・ペリー | デヴィッド・ウォーショフスキー | マースク・アラバマ号のベテラン機関長 |
ジョン・クローナン | クリス・マルケイ | マースク・アラバマ号の三等機関士 |
ウィリアム・リオス | マーク・ホールデン | マースク・アラバマ号の船員 |
アトム・ザヒド・レザ | サン・シェラ | マースク・アラバマ号の船員 |
ジミー・サブガ | Amr El-Bayoumi | マースク・アラバマ号の船員 |
ミゲル・A・ルイス | テレンス・アンダーソン | マースク・アラバマ号の船員 |
モハメド・アブデルワハブ | マーク・アンウォー | マースク・アラバマ号の船員 |
リチャード・E・ヒックス | Kapil Arun | マースク・アラバマ号の船員 |
マリオ・クロッター | ピーター・ランディ | マースク・アラバマ号の船員 |
ヘクター・サンチェス | トマス・グルベ | マースク・アラバマ号の船員 |
ディック・マシューズ | デヴィッド・ウェバー | マースク・アラバマ号の船員 |
アンドリュー・ブレジンスキー | ヴィンチェンゾ・ニコリ | マースク・アラバマ号の船員 |
クリフォード・レイコン | ルイス・マホニー | マースク・アラバマ号の船員 |
ジョン・A・ホワイト | アンガス・マッキネス | マースク・アラバマ号の船員 |
フランク・カステラーノ艦長 | ユル・ヴァスケス | 米海軍駆逐艦ベインブリッジの艦長 |
通信士官 | レン・アンダーソン四世 | ベインブリッジの通信士官 |
任務士官 | ウィル・バウデン | ベインブリッジの任務士官 |
撮影班の兵士 | クリス・パラーモ | 海賊たちの状況を映像に撮影する兵士 |
ネモ | オマール・バードゥーニ | 米海軍の通訳。海賊とソマリアの言葉でやり取りする |
オブライエン看護師長 | ダニエル・アルバート | ベインブリッジの看護師長 |
シールズ指揮官 | マックス・マーティーニ | 米海軍SEALs指揮官 |
SEALs副長 | スティーヴ・キャンベル | シールズ指揮官を補佐する副長 |
SEALs部隊員 | スコット・オーツ / デイヴ・メドウズ / ビリー・ジェンキンス / レイ・ヘルナンデス他 | |
アサド | モハメド・アリ | 海賊。ムセ達とは別のグループのリーダー |
フーファン | Issak Farah Samatar | 海賊。母船からレーダーで標的となる貨物船を探して、ボートに無線で知らせる |
海賊リーダー | アズィーズ・モハメド | ガラード将軍の代理として、各地の漁師たちに海賊行為を強要する |
ソマリア人少年 | Bader Choukouko | ソマリアのエイルの少年 |
あらすじ (29分30秒の時点まで)
リチャード・フィリップス(トム・ハンクス)は53歳。バーモント州に住む、経験豊富な商船の船長。2人の子供たちはもう独立し、今は看護師の妻アンドレア(キャサリン・キーナー)と2人で暮らしている。マースクという米国籍の海運会社に勤めており、今は同社が保有するアラバマ号の船長をしている。
この日は次の航海に出発するため、病院に出勤する妻と共に車で空港へと向かっていた。中東のオマーンからアフリカのケニアへアラバマ号で3か月かけて貨物を運ぶのだ。リチャードは空港で飛行機に乗り、アンドレアは車で病院へと向かった。
ソマリアのエイル村では、権力者ガラード将軍の部下が若者たちに自動小銃(AK-47)を持たせ、半強制的に海賊行為へと駆り立てていく。ムセ(バーカッド・アブディ)、 ビラル(バーカッド・アブディラマン)、ナジェ(ファイサル・アメッド)、エルミ(マハト・M・アリ)の4人も、一攫千金を夢見るそんな若者であった。
オマーンのサラサ港では、到着したフィリップス船長(トム・ハンクス)がアラバマ号に乗船する。副船長シェーン(マイケル・チャーナス)の指揮の下、アラバマ号の出港準備と貨物積み込みは予定通り進められていた。こうして船は、4月6日15時に予定通りケニアへと出港する。
ソマリア海盆を荒らす海賊たちは良く組織化されている。レーダーを積んだ母船が、周辺海域を航行する貨物船を吟味し、船団を組んでいる船は避け、単独航行している貨物船に狙いを定める。一旦ターゲットが決まったら、母船から高速艇に自動小銃を持った若者が乗り移り、貨物船を追いかける。
出航から3日目、そんなターゲットにされたのは、この海域を単独で航行する、フィリップス船長率いるアラバマ号であった。
英国MTO(海運貿易オペレーション)から、当該海域での海賊出没の警告メールを受け取っていたフィリップス船長は、レーダーに高速で追尾してくるボート2隻が映っていることに気付き、これを強く警戒する。
アラバマ号が進路を変えると高速艇も進路を変え、自船を追ってきているのは明らかだ。フィリップス船長は乗組員全員を警戒配置に就かせ、機関室と連絡を取りながら、エンジンを故障させない範囲で船の速度を上げていく。
また、管轄当局の支援を仰ぐため、US海事局に連絡を取ったが繋がらず。ドバイの英国MTOにも連絡するも、オペレーターに”漁船でしょう。ただし警戒態勢を怠らないように”と、何の役にも立たない応対をされ孤立無援状態となる。
その間にも、2隻の高速艇は着々と距離を詰めて来る。
そこでフィリップス船長は一計を案じ、海賊たちがこちらの無線を傍受している想定で、無線通信を使って、護衛艦への航空機出動の要請と、軍隊側がそれを快諾する独り芝居を行う。このハッタリが効き、高速艇の一隻は怖気づいて離脱する。
アラバマ号のエンジンも限界が近づく中、幸いにも残った高速艇のエンジンが先に故障し、アラバマ号は事なきを得る。
その晩、乗組員たち全員で緊急会議を行うアラバマ号。この危険なソマリア海盆から離脱しようにも、海賊団は5つほど点在しており、どちらの方向に逃げても状況は改善しない。よって、アラバマ号が取れる選択肢は、警戒を怠らず、再度海賊が現れたら、スピードと高さと放水ホースを使って、訓練通りに船を死守するしかない、とにかくケニアに急ごうと結論付けられる。
一方の海賊たちも、再度の襲撃に向け、虎視眈々と準備を進める・・・
果たして、フィリップス船長以下アラバマ号は、無事にケニアへと到着できるのであろうか・・・
見どころ (ネタバレなし)
この映画の見どころを3つだけ挙げてみたいと思います。こんな観点も念頭に置きながら本作をご覧になると、より味わい深く鑑賞できるかも知れませんというご提案ポイントです。
どれもネタバレなしで書いていきますので、安心してお読み下さい。
息苦しいほどの臨場感
既に少し述べましたが、ポール・グリーングラス監督が得意とする演出手法として、ハンドヘルド・カメラを使って、人物Bの肩越しに、人物Aをズームアップで映すというものがあります。
このアプローチには、
- AとBが対峙している緊張感を浮き彫りにし、
- Aの細かな表情や息遣いまでを切り取り、
- 意図的に手ブレさせるカメラワークが観ている我々もその空間に同居しているような錯覚に陥らせる
という効果があります。
ジェイソン・ボーン・シリーズで確立した、このグリーングラス監督の手法が、この「キャプテン・フィリップス」でもこれでもか!と炸裂します。
また、映画の後半では、人質事件の状況が煮詰まるに従って、トム・ハンクスの表情だけを徹底して画面に映し出して行く回数が増えて行きます。
とにかく、この息苦しいほどの臨場感がこの映画の最大の見どころだと思います。
トム・ハンクスの演技
トム・ハンクスの演技が素晴らしいです!
演技が上手い下手を、素人の筆者が論じる資格はありませんが、筆者にも言えることはただ一つ。それは、作品の意図に沿ったリアリティが凄い!ということです。
というのは、本作は徹底したリアリティを追求しており、派手なアクション・シーンも無ければ、無双をするヒーローも登場しません。そんな文脈の中で、フィリップス船長は、船と船員と貨物に責任を持ちますが、出来れば自分も妻のもとに無事に帰りたいと思っている。
ある種の最大公約数的な人物像をトム・ハンクスがスクリーン上で具現化することで、この映画のリアリティのギアがもう一段階上がっているような気がします。ポール・グリーングラスをして「この役に必要なものを全て持った完璧な人物」と称されているのも頷けます。
第86回アカデミー賞では、主演男優賞にノミネートすらされていませんが、アカデミー会員がお好みではない”癖のないキャラクター”をそれだけ見事に演じ切った証拠と、逆に誇りに思って良いんじゃないですかね?
新人俳優が演じる高度な心理戦
人質事件が描かれている訳ですから、人質を取る側と取られる側が描かれます。
取られる側のトム・ハンクスについては既に述べました。では取る側はどうでしょう?
人質を取る側、つまりソマリア海賊のリーダーを演じたのは、ソマリア系アメリカ人のバーカッド・アブディ。撮影当時27歳。本作が映画デビュー。
この人の演技についても、筆者がとやかく言う資格はありません。なのでちょっとだけ視点をズラします。
人質事件なので、「人質を解放しろ」「嫌だ」「要求は何だ?」「1,000万ドルだ」「金の準備には時間が掛かる、まずは人質が無事なことを確認させろ。それより水と食料は要らないか?」という高度な心理戦が展開されて行きます。
イライラしながら交渉人とやりとりする海賊のリーダーを、デビュー作で演じるってどんな気持ちなんでしょう?とにかく、その演技は素晴らしかったです。観ているこっちは緊張の連続でした。
脚本と演出が素晴らしく、相手俳優がオスカー級だと、こんなにも鬼気迫る演技に染まるのだろうか。皆さんの目にはどんな風に映るでしょうか?
まとめ
いかがでしたか?
実話に基づいた大事件を、そのリアリティを損なわないように再現した歴史映画の秀作。監督と出演者が、統一された意図に基づいて作り上げたことを掘り下げたつもりです。
この作品に対する☆評価ですが、
総合的おススメ度 | 3.5 | 怒涛の134分 |
個人的推し | 3.5 | グリーングラス監督の実話映画 |
企画 | 3.5 | 当然映画化するよね |
監督 | 4.0 | 134分だけど無駄が無い |
脚本 | 4.0 | 徹底したリアリティ |
演技 | 3.0 | 主演2人がブッチギリ |
効果 | 3.5 | 臨場感 |
このような☆の評価にさせて貰いました。
134分と少し長めですが、緊迫感が続くので飽きは来ません。ただし、観終わった後はどっと疲れが出ます。
徹底したリアリティの追求が緊張感を生み、緊張感が臨場感へと繋がり、事件の目撃者になれた気がします。事件を扱う伝記映画って、こうあるべきなんでしょうね。