話題の記事続編なのに1作目の質を超えた映画5選

【ネタバレなし】カジノ(あらすじ・実話比較・キャストについて)

この記事では、マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロの黄金タッグ8作目にして、今やスコセッシ映画の代名詞とも言える「モブ・マフィア」ものの王道『カジノ』の解説をします。スコセッシが盟友たちの力を結集して作ったクライム映画の名作を、名作たらしめるものは何なのか。キャストに焦点を当てつつ、実話との比較やあらすじもご紹介します。

この映画を観るか迷っている方は、後でご提案する ”ジャッジタイム” までお試し視聴する手もあります。これは映画序盤の、作品の世界観と展開が ”見えてくる” 最短のタイミングのことで、作品が気に入らなかった場合に視聴を離脱する目安タイムです。

もし、この映画が気に入らなかった場合でも、このジャッジタイムで観るのを止めちゃえば時間の損切りができます。タイパ向上のための保険みたいなものです。

この映画を初めて観る方のことも考えて、ネタバレなし で、作品の特徴あらすじ(ジャッジタイムまでに限定)、見どころを書いて行きます。この映画の予習情報だとお考えください。

この映画を観るかどうか迷っている人観る前に見どころ情報をチェックしておきたい人ことも考え、ネタバレしないように配慮しています。

目次

ジャッジタイム

この映画を観続けるか、中止するかを判断するジャッジタイムは

  • 上映開始から29分30秒のポイントをご提案します。
29分30秒

ここまでで、この映画のテイストが、お好みかお好みではないかがお分かりいただけると思います。
逆にいえば、上映時間の長さ(179分)に鑑みて、本作の雰囲気そのものが好みでない方は、ここで視聴を中止するのが賢明かもしれません。

概要

本作品の位置づけ

本作品はマーティン・スコセッシ監督と俳優ロバート・デ・ニーロがタッグを組んだ8つ目の作品になります。
ジョー・ペシも含めたお馴染みのトリオという意味では、3本目の作品であり、これを聞いて期待出来ないなんて思うのが無理な相談ですね。

公開年作品名あらすじ
1973ミーン・ストリート3流ギャングの主人公だけは問題児ジョニーボーイを庇っているが…
1976タクシードライバー不眠症に悩まされる主人公がタクシードライバーとなり、社会を嫌悪していく
1977ニューヨーク・ニューヨーク主人公のサックス奏者と恋人の関係は彼の短気な性格のせいで変化していく
1980レイジング・ブルボクシング王者のキャリアと引退後の人生を描いたドラマ
1982キング・オブ・コメディコメディの王様になることを夢見る男が次第に常軌を逸して行く様を描く
1990グッドフェローズニューヨークを舞台に実在のマフィアの半生を描いたクライムドラマ
1991ケープフィアー弁護士家族と彼らを付け狙う男を描いたサイコスリラー
1995カジノカジノの支配人とその仲間のマフィアを描いたクライムドラマ
2019アイリッシュマン実話をもとに労働組合とマフィアの関係を描いたクライムドラマ
マーティン・スコセッシとロバート・デ・ニーロの共同作品

また、本作はニコラス・ピレッジの小説『カジノ』を原作としており、彼の小説をもとに映画を作るのは『グッドフェローズ』に続く2回目。実際に本作は、『グッドフェローズ』の成功を受けて制作され、多くの共通点・類似点が認められる作風なことから、マーティン・スコセッシの「モブマフィアもの第2弾」とされています。『グッドフェローズ』との比較に関しても後ほど深掘って行きます。

商業的成果

では、本作の結果はどうだったのでしょうか。本作品は制作費$52,000,000に対して興行収入が$116,112,375とまずまずの成功を収め、『グッドフェローズ』が制作費$25,000,000、興行収入$46,879,633 だったことを踏まえ、その実績から予算を預けられて絶対額として大きな利益を生み出したといえます。

しかし、批評家の評価は営業面ほど高くはありませんでした。批評家の一致した見解は「一部の視聴者にはマーティン・スコセッシ監督にとって安全牌のような印象を与えるかもしれない、おなじみの物語にもかかわらず、傑出したキャストによる印象的な熱意と華麗な演技のおかげで『カジノ』は成果をあげている。」というもので、拭いきれない既視感が作品の評価を下げていると考えられます。この点に関しても後ほど考察していきます。

実話との比較

本作品は、1970年代のラスベガスとそれを牛耳るマフィアの実話をもとに作られています。本作品の主役エース(ロバート・デ・ニーロ)はフランク・レフティ・ローゼンタールという実在のノミ屋がモデルになっており、ジョー・ペシ演じるニッキー、シャロンストーン演じるジンジャーもそれぞれトニー・スピロトロ、ジェリー・マクギーという人物をモデルにしています。

原作者ピレッジの取材を拒否していたノミ屋のレフティも、デ・ニーロの出演を聞いて取材を受け入れたため、本人の経験と照らし合わせながら、かなり実話に忠実なストーリーになっていると考えられます。

まだマフィアが権力を持っていた時代のラスベガスという街をリアルに描いた本作は、ある種の実録物として楽しむことができるのも一つの作品的価値かもしれません。

あらすじ (29分30秒の時点まで)

1970年代ラスベガス、シカゴマフィアのボスたちは、ラスベガスのカジノ「タンジール」を所有し、その売り上げを掠め取るビジネスを始める。それにあたって「タンジール」の実質的運営責任者に地元で有名なノミ屋、エース(ロバート・デ・ニーロ)を抜擢する。

エースはギャンブルに関する自身の経験を活かしてカジノを繁盛させていき、ボスたちの懐を温め続けていった。

ある日エースは、高級娼婦のジンジャー(シャロン・ストーン)に一目惚れする。二人は恋仲になったように見えたが、彼女はポン引きの小悪党であるレスター(ジェームズ・ウッズ)と付き合っていて、依存状態だった。

一方、地元で粗暴な性格が知られる友人ニッキー(ジョー・ペシ)が、シカゴのボスたちによって用心棒として送り込まれる。エース(ロバート・デ・ニーロ)はニッキーがラスベガスでトラブルを起こすことを危惧し始める。

ジンジャーとの恋やニッキーが介入し始めたカジノの経営はエースの人生にどう影響していくのか…

見どころ

シャロン・ストーンの演技

本作品の見どころは何といってもシャロン・ストーンの怪演です。彼女の演技は、ゴールデングローブ賞で主演女優賞を獲得しました。

ある意味スコセッシ映画のお約束とも言える”強気な女性のヒステリー”ですが、個人的には『カジノ』のシャロン・ストーンが最も強烈な”ヒステリー”を見せたように感じます。

彼女が演じるジンジャーという人物がどのような女性として描かれているかはみてのお楽しみですが、もしご覧になる際はデ・ニーロ扮するエースの目線で、シャロン・ストーンの”イカれた”演技をお楽しみください。

”モブ・マフィアもの”としての本作のテーマ

上述したように本作品は、『グッドフェローズ』に続く「モブマフィアもの」第2弾として知られています。
しかし、批評家の評価は「安全牌」であるとされ、言い換えるならば『グッドフェローズ』の焼き直しに感じてしまう映画であると思われてしまっています。

確かに両作品を比較してみると、多くの共通点があります。

  • デ・ニーロ、ジョー・ペシなど両作品とも出演している共通キャストが多い。
  • しかも、そのキャストのキャラクターが似通っている。
  • 原作者がニコラス・ピレッジである。
  • 公開時期と描いた時代が近い
  • 作品のテーマが類似している。(”モブ・マフィアもの”と括られてしまうくらいに)
  • 構成や撮り方が似ている。

などの共通点があります。では、『カジノ』は、本当にスコセッシが『グッドフェローズ』をもう一度再現させた作品なのでしょうか。

筆者は断じて違うと考えています。

まず、『グッドフェローズ』に対して本作が差別化できる部分は、やはりシャロン・ストーンの演技。そしてラスベガスという異世界のような舞台です。演技に関してはすでに語ったので割愛しますが、後者に関しては、日常と背中合わせに密着する ”裏” 稼業を描いた『グッドフェローズ』に対して、もっと組織化された ”表” 稼業であるカジノを描き、その上でマフィアとの ”裏” の繋がり(金の流れ/運営/支配)を描いた本作は、描きたかったテーマが根本的に異なります。

整理すると、現代においてのラスベガスは、家族で安心して楽しめる一大レジャー・タウンと化した。しかし、そう遠くない昔においては、”カジノ” はもっと賭場としての色が強く、その裏では全米のマフィアが資金源として糸を引いていたよという事実を、マーティン・スコセッシらしいアプローチで映像化した、というのが本作のテーマなんではないだろうか?

あわわっち

21世紀になって、ラスベガスには仕事で6回行ったことがありますが、1度も怖い思いをしたことがないクリーンな街です。

マーティン・スコセッシの作風

そもそも、『グッドフェローズ』やそれ以前の作品によって本作に感じる既視感は、スコセッシの「作風」であり、それを安全牌と表現するのは少し掘り下げが浅いかと感じます。ナレーションとともに進むストーリーやDJ的な挿入歌、叙事詩的なコマ割りなどの特徴は、スコセッシとデ・ニーロの1作目『ミーン・ストリート』をプロトタイプとした確立された手法であり、ファン目線で言えば、本作はスコセッシの色を感じながら、良くも悪くも古き時代のラスベガスとその裏に潜む犯罪の描写を楽しめる名作です。

あっつ

それで言うと『アイリッシュマン』の方が同じ物を作った感があるかも…

まとめ

この作品に対する☆評価ですが、

総合的おススメ度4.0 長いけどシンプルに面白いです!
個人的推し4.5 キャストも監督も大好き!
企画4.0 信頼できるチームで安定感!
監督4.0流石のクオリティです
脚本4.0 ピレッジの原作を映画に昇華させた力量
演技4.5 シャロンストーンが素晴らしい
効果4.0 カジノのリアリティがすごい
こんな感じの☆にさせて貰いました

上述したように、既視感を感じる部分はあるものの、『グッドフェローズ』が好きな方は確実に刺さる作品だと思います!スコセッシの映画をそこまでみていない大衆層にもおすすめできる、わかりやすく面白い仕上がりになっています。
好きな俳優、好きなテーマ、好きな監督。どこから入っても面白いと感じられると思いますので鑑賞を考えている方は参考にしてみてください!

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