話題の記事続編なのに1作目の質を超えた映画5選

【ネタバレなし】曲も印象的、映画「ビバリーヒルズ・コップ」(あらすじ)

この記事でご紹介する「ビバリーヒルズ・コップ」は、エディ・マーフィ映画初主演のクライム・アクション・コメディ。デトロイトのストリートで育ったハミ出し刑事が、アメリカ有数の高級住宅街 ”ビバリーヒルズ” に乗り込んで、犯罪組織を相手に大暴れ。

この映画を観るか迷っている方は、後でご提案する ”ジャッジタイム” までお試し視聴する手もあります。これは映画序盤の、作品の世界観と展開が ”見えてくる” 最短のタイミングのことで、作品が気に入らなかった場合に視聴を離脱する目安タイムです。

もし、この映画が気に入らなかった場合でも、このジャッジタイムで観るのを止めちゃえば時間の損切りができます。タイパ向上のための保険みたいなものです。

この映画を初めて観る方のことも考えて、ネタバレなし で、作品の特徴あらすじ(ジャッジタイムまでに限定)、見どころを書いて行きます。この映画の予習情報だとお考えください。

この映画を観るかどうか迷っている人観る前に見どころ情報をチェックしておきたい人ことも考え、ネタバレしないように配慮しています。

”サタデー・ナイト・ライブ” 出身のエディ・マーフィが、アクセル・フォーリーという個性的な刑事キャラを創造し、軽快なアクションとマシンガントークを炸裂させる。これが全世界で大ヒットし3億ドル以上の売上を記録。エディ・マーフィを一躍世界的なスターに押し上げた。

この1980年代アクション・コメディの金字塔の世界を、ちょっとだけ一緒に覗いてみませんか?

目次

ジャッジタイム (ネタバレなし)

この映画を観続けるか、見限るかを判断するジャッジタイムですが、

  • 上映開始から29分50秒のタイミングをご提案します。
29分50秒

ちょっと長めのジャッジタイムですが、ここまでご覧になると、この映画のテーストと、主人公アクセル・フォーリーのキャラクターが掴めます。そして、事件の枠組みが見えてきます。

新たに作り出されたアクセル・フォーリーというキャラを把握するのにちょっと時間を要しますが、この辺りまでご覧になって、この続きも観るかを判断されることをおススメします。

概要 (ネタバレなし)

この作品の位置づけ

「ビバリーヒルズ・コップ」(原題:Beverly Hills Cop) は、1984年公開のクライム・アクション・コメディ。内容の斬新さと、それに伴う世界的ヒットにより、このジャンルにおける金字塔と評価されるようになった作品。主演はエディ・マーフィで、この作品で彼は初めて映画単独”主”演を果たした。

というのもエディ・マーフィは、「48時間」(1982年) 、「大逆転」(1983年) でバディ物2作品に出演し、主役2人の内の1人というポジションでの実績を残した。これらの高い評価を引っ提げて、本作「ビバリーヒルズ・コップ」の単独主演の座を勝ち取った格好だ。

なお本作はその制作過程で、シルベスター・スタローンを主演としたシリアスなクライム・アクション物とするアイデアが持ち上がった時期もあったが、そのアイデアは別企画に派生し、映画「コブラ」として完成された。

「コブラ」の世界興行収入は1億6千万ドル。「ビバリーヒルズ・コップ」のそれが3億1千6百万ドルなので、数字だけを比較するとほぼダブルスコアだ。コメディ作「ビバリーヒルズ・コップ」を作って正解だったのではないか。

制作陣

本作の製作を務めたのは、ドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマーのコンビ。この2人は、1980年代にパラマント映画に所属し、次々とヒット作を世に送り出した。

邦題 原題 公開年 製作
フラッシュダンス Flashdance 1983 ドン・シンプソン
ジェリー・ブラッカイマー
ビバリーヒルズ・コップ Beverly Hills Cop 1984 ドン・シンプソン
ジェリー・ブラッカイマー
トップ・ガン Top Gun 1986 ドン・シンプソン
ジェリー・ブラッカイマー
ビバリーヒルズ・コップ2 Beverly Hills Cop II 1987 ドン・シンプソン
ジェリー・ブラッカイマー
デイズ・オブ・サンダー Days of Thunder 1990 ドン・シンプソン
ジェリー・ブラッカイマー
サイレントナイト/こんな人質もうこりごり The Ref 1994 ドン・シンプソン(製作総指揮)
ジェリー・ブラッカイマー
バッドボーイズ Bad Boys 1995 ドン・シンプソン
ジェリー・ブラッカイマー
クリムゾン・タイド Crimson Tide 1995 ドン・シンプソン
ジェリー・ブラッカイマー
デンジャラス・マインド/卒業の日まで Dangerous Minds 1995 ドン・シンプソン
ジェリー・ブラッカイマー
ザ・ロック The Rock 1996 ドン・シンプソン
ジェリー・ブラッカイマー
ドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマーのコンビが手掛けた作品

上記の表をご覧のように、本作「ビバリーヒルズ・コップ」以降も、この時代を代表する作品を次々とプロデュースした。

監督を務めたのはマーティン・ブレスト。この監督は、本作を大ヒットさせたことで高い評価を得て、その後ロバート・デ・ニーロと「ミッドナイト・ラン」(1988年) 、

アル・パチーノと「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」(1992年) 、

ブラッド・ピット、アンソニー・ホプキンスと「ジョー・ブラックをよろしく」(1998年) と、

着実にキャリアアップを果たして、大物俳優と大作を撮るようになっていく。

商業的成功

「ビバリーヒルズ・コップ」の上映時間は105分と若干短めだ。しかし、緊張と笑いが続く作風なので、それほど短いとは感じないと思う。製作費は1千5百万ドル。対する世界興行収入は3億1千6百万ドルと爆発的な大ヒットを記録。実に21.1倍のリターンである。

21.1倍のリターン

エディ・マーフィに賭けて、企画を「コブラ」にすり替えずに本当に正解だったと関係者は思っているんじゃないだろうか?

あわわっち

ちなみに「コブラ」は、映画より原作小説の方が100倍ぐらい面白いです(個人の感想ですwww)

あらすじ (29分50秒の時点まで)

デトロイト市警の若手刑事アクセル・フォーリー(エディ・マーフィ)は、犯罪に対する嗅覚が高く仕事熱心だが、独断専行のオトリ捜査を好むため、度々犯人検挙時に甚大な被害を出し、上司のトッド警部に怒られてばかりだ。

ある晩自宅のアパートに帰ると、友達のマイキー(ジェームズ・ルッソ)が、勝手に自分の部屋に侵入して冷蔵庫の食べ物を漁っていた。マイキーとは、デトロイトのストリートで一緒に育った幼馴染で、久しぶりの再会を心から喜び合う2人。というのも、マイキーは刑務所に入っていたので会うのは2年ぶり。仮釈放されてから半年が経過した後の突然の訪問であった。

マイキーは今ロサンゼルスに居を構えており、別の幼馴染のジェニーの紹介で、ビバリーヒルズにある倉庫でガードマンの仕事に就いているという。ジェニーは、ベントン画廊の雇われ経営者の地位に就いていて、彼女の身元保証が効いたようだ。

しかし、マイキーは勤め先で見つけた無記名債券を、深い考えも無く一束くすねて来てしまっていた。アクセル(エディ・マーフィ)とマイキーは、この無記名債券を追ってきたヤクザ者2人に不意を突かれて襲われ、アクセルが気絶している間に、マイキーは撃ち殺されてしまう。

幼馴染のマイキーは銃殺されてしまう

マイキー殺しの犯人は、その無駄の無い手口からプロである目算が高いが、アクセル(エディ・マーフィ)は被害者の私的な関係者ということで、マイキー殺しの捜査には加われない。そこでアクセルは数週間休暇を取って、事件の裏を個人で探るべく単身ビバリーヒルズへと乗り込む。

アクセルは単身ビバリーヒルズに乗り込む

口八丁手八丁で、予約をしてないホテルに宿泊部屋を強引に確保し、早速幼馴染のジェニー(リサ・アイルバッハ―)の勤務先の画廊へと向かう。

想像以上に高級で、前衛的なコンセプトの画廊に驚くアクセルであったが、ジェニーは昔と変わらず気取らぬ態度でアクセルを歓待し、再会を喜び合う2人。しかし喜ぶのも束の間、アクセルはマイキーの訃報を伝え、マイキーに仕事を紹介した経緯をジェニーから聞き出す。

ジェニー曰く、マイキーが働いていたのはジェニーの画廊の倉庫で、画廊も倉庫もオーナーはメイトランドという人物だという。後ほど落ち合って再度話をする約束をして画廊を後にするアクセル。

アクセルはその足でメイトランド(スティーヴン・バーコフ)のオフィスにアポ無し突撃訪問をし、単刀直入にマイキーの死の真相を問うたが、明らかに迷惑そうなメイトランドの指示で、アクセルは駆け付けた用心棒たちに手荒くオフィスの外に放り出されてしまう。

果たしてアクセルは、幼馴染のマイキーの死の真相を突き止めることが出来るのだろうか?その黒幕はメイトランドなんだろうか?そうだとしたら、アクセルはメイトランドを捕まえることが出来るのだろうか・・・?

見どころ (ネタバレなし)

この映画の見どころを3つの観点に絞って書いてみたいと思います。基本は、エディ・マーフィ扮するアクセル・フォーリーというキャラクターの魅力が軸になりますが、それがどんな効果を波及的に生んで行くのかをネタバレしない範囲で書いてみたいと思います。

新創造アクセル・フォーリーというアイコン

エディ・マーフィが創り出したアクセル・フォーリーという役柄が非常に個性的で、この映画の公開以降、黒人刑事キャラのアイコンになって行きます。

その特徴としては、まずは、とにかく早口で喋る。喋って喋って喋り倒す。リズミカルに喋る。

そして悪知恵が働く。他人のちょっとやそっとの抵抗には怯まない。常に先回りをして相手を押し込み、最終的には自分のペースに持ち込む。いわゆる口八丁手八丁の詐欺芸が炸裂します。

また、デトロイトのラフなストリートで生まれ育ったというバックボーンも加わり、軽快なフットワークも見逃せません。公開時エディ・マーフィは23歳だったこともあり、劇中では所狭しと走り回るシーンも少なくないです。

こうした泥臭ぁ~い人物が、アメリカ有数の高級住宅地であるビバリーヒルズの洗練された街並み、建物、ソサイエティに、ある日突然飛び込んで来る訳ですから、トラブルが起きない筈がありません。ハラハラドキドキしながら、このギャップに満ちたユーモアを楽しむのが、この映画の正しい嗜み方(たしなみかた)です!

あわわっち

このアイデアは「プリティ・ウーマン」(1990年)にも踏襲されて行きますよねぇ~

ド派手なアクション

アクションがド派手です。1980年代の映画なのでCGも無く、そのお陰で逆に生々しい描写のアクション・シーンを楽しむことが出来ます。

乱闘、カーチェイス、銃撃戦と、アクション映画に求められるものは全部入っていますので、是非楽しみにしていてください。

主題歌・挿入曲

ハロルド・フォルターメイヤーが手掛けたサウンドトラックは、1980年代風の都会的でポップス調の音楽が印象的です。映画上映開始時から、グレン・フライの主題歌 ”Heat Is On” が流れます。

そして印象的な挿入歌も度々登場します。特に”Axel F” という曲もこの映画を象徴する楽曲ですし、後々まで ”ビバリーヒルズ・コップ” と言えばこの曲というぐらい、人々に刷り込まれて行くメロディーです。

こうした印象的な曲が、この映画を盛り上げ、この作品の世界観を完成させてくれます。

まとめ

いかがでしたか?

1980年代中盤に突然映画界に現れた個性的な刑事キャラが、どんな魅力を身にまとってアイコンになっていったかをお伝えしたつもりですが、これらの情報が、皆さんのこの映画をより味わい深く鑑賞する一助になっていると嬉しいです。

この作品に対する☆評価ですが、

総合的おススメ度 4.0 一回は観ておくべき必須科目で金字塔
個人的推し 4.0 手離しで面白いです!
企画 4.5 このキャラがビバリーヒルズに降臨!
監督 4.0 刑事たちのキャラ確立がシリーズ化の礎
脚本 3.5 若干ストーリーが雑?
演技 3.5 もっとみんな振り切った演技しちゃって!
効果 4.0 独特な雰囲気を完成させてる
こんな感じの☆にさせて貰いました

このような☆の評価にさせて貰いました。

映画ファンなら一度は観ておきたい金字塔作品だと思います。1980年代を代表する刑事もの。

アクセル・フォーリーというキャラクターが創造されたことが全てのエネルギーの源で、ビバリーヒルズという街とのギャップ、そこの人々とのギャップという面白さが随所で私たちを楽しませてくれます。もう企画の勝利ですよね!

確かに続編が観たくなる出色の出来だと思います。

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