話題の記事続編なのに1作目の質を超えた映画5選

【ネタバレなし】オットーという男(幸せなひとりぼっち、リメイク、違い、評価)

この記事でご紹介する「オットーという男」は、2023年公開のコメディドラマ映画。トム・ハンクス演じるオットーという名の偏屈な老人が、近隣住人との交流を通じて少しずつだが態度を改めて行く様を、物悲しさにコメディを織り交ぜて描くヒューマンドラマ。

2015年に公開されたスウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」のハリウッド・リメイク作でもある。

この映画を観るか迷っている方は、後でご提案する ”ジャッジタイム” までお試し視聴する手もあります。これは映画序盤の、作品の世界観と展開が ”見えてくる” 最短のタイミングのことで、作品が気に入らなかった場合に視聴を離脱する目安タイムです。

もし、この映画が気に入らなかった場合でも、このジャッジタイムで観るのを止めちゃえば時間の損切りができます。タイパ向上のための保険みたいなものです。

この映画を初めて観る方のことも考えて、ネタバレなし で、作品の特徴あらすじ(ジャッジタイムまでに限定)、見どころを書いて行きます。この映画の予習情報だとお考えください。

この映画を観るかどうか迷っている人観る前に見どころ情報をチェックしておきたい人ことも考え、ネタバレしないように配慮しています。

65歳を過ぎて一段と深みのある演技を見せる名優トム・ハンクスが、良くも悪くも主人公を徹底的にフィーチャーするこの映画作品で、一体どんな存在感を放つのか?こちらの記事でちょっと予備情報を仕入れてから、観るか観ないかを決めませんか?

目次

ジャッジタイム (ネタバレなし)

この映画を観続けるか、見限るかを判断するジャッジタイムですが、

  • 上映開始から25分00秒のタイミングをご提案します。
25分00秒の時点

この辺りまでご覧になると、主人公のオットー(トム・ハンクス)がどんな人物なのかが見えます。そして、彼の生活環境が元々どんなもので、どんな変化の兆しが見えるのかも掴めるので、この先もご覧になるかの判断を付けるのに最適だと思います。

概要 (ネタバレなし)

この作品の位置づけ

「オットーという男」(原題: A Man Called Otto) は2023年公開のコメディドラマ映画。妻に先立たれてスッカリ融通の利かない偏屈な性格になってしまった初老の男オットーが、向かいに引っ越してきた家族の陽気なラテン系の主婦に引きずり回される内に、少しずつだが態度を軟化させていく話。

名優トム・ハンクスがこの独居老人の孤独、気難しさ、皮肉屋、そして心情の微妙な変化を見事に演じ、作品全体のコンセプトを見事に体現することで、観る者は登場人物達と共に笑ったり、泣いたり、憤ったりできる作風に仕上がっている。

ハリウッド・リメイクと原作小説

この映画は、いわゆるハリウッド・リメイク映画である。元ネタは、2015年公開のスウェーデン映画「幸せなひとりぼっち」(原題: En man som heter Ove) である。この映画は2012年に出版されたスウェーデン人作家フレドリック・バックマンの小説「En man som heter Ove」(英題: A man Called Ove) を原作としている。

バックマンは元々ブログを含めた物書きだったが、小説処女作のこの「En man som heter Ove」が、まず自国で映画化され、更にハリウッド・リメイクされた格好になっている。

なお、スウェーデン版映画とハリウッド版映画の共通点/相違点だが、スウェーデン版では家族構成が時代の流れによって変化し、福祉国家であっても核家族化による老人の孤立は防ぐのが難しくなってきているという社会情勢が下敷きになっており、ハリウッド版ではオットー個人の事情による孤立が強調されて描かれている。

孤独を抱える独居老人が、近隣住人との関りを通じて態度を変化させて行く背骨の部分は共通である。

ただし、スウェーデン版は老人の感情がより内省的に描写されており、ハリウッド版では感情の発露も描かれている。その辺りはお国柄、映画文化の違いかも知れない。

評価

Rotten Tomatoes(ロッテン・トマト)では、68%とそれほど高い支持率は得ていない(Rotten Tomatoesでは60%以上が『新鮮』、60%未満が『腐っている』という評価)。そして総評においても、”全ての猜疑心をドアの外に置き、『オットーという男』がお墨付きのメロディーであなたの心の琴線に触れるの受け入れてください。そうすれば上手く歌を奏でるかも知れません。” と、評されている。

要は、Rotten tomatoes 的には、本作品をベタなアプローチのヒューマンドラマと捉えていて、観客に狙い通りに一定の感情の揺さぶりを掛けるだろうが、そこに真新しさは見当たらないとでも言いたいのだろうか。

商業的結果

この映画の上映時間は126分と極めて標準的な長さに仕上がっている。残念ながら制作費の情報は得られなかったが、世界興行収入は1億1千3百万ドルと報じられている。

1億1千3百万ドルの売上

内容、演出的に多額な制作費が掛かった作品には見えないが、この売上の絶対額だと少し物足りない結果だろうか。

あらすじ (25分00秒の時点まで)

オットー・アンダーソン(トム・ハンクス)は独り暮らしの63歳の男性。元々曲がったことが大嫌いな性格だったところに、半年前に愛妻ソーニャに先立たれたことが重なり、今ではすっかり融通の利かない面倒臭い初老のじいさんになり果てていた。

彼の朝の日課は、自身が住むメゾネットタイプの集合住宅の敷地内を見回り、ゴミ出しから駐輪、駐車の方法に至るまで、住民や敷地内に出入りする人間がルールを守っているかチェックして回ること。少しでも規則を逸脱する違反を見つけると、老若男女を問わず対象者に嫌味ったらしく注意をする。

また、オットーは鉄鋼会社に長年勤務してきたが、近年では専門の生産管理から技術部に異動させられ、かつ役職も外されてしまい、63歳という年齢にもなったので引退を決意する。同僚たちは退職日に職場でささやかな引退祝いを催してくれたが、オットーはこれを喜ぶどころか、彼らに悪意をまき散らして会社を辞してきてしまう。

オットーは自宅に帰ると、電話、電気、ガスといったライフラインの契約を解除し、丁寧に一張羅へと着替える。彼にはある計画があった。そう、天井から吊るしたロープで首つり自殺をすること。愛した妻の居ないこの現世に、オットーはもう思い残すことがないのだ。

床の上に新聞紙を隙間なく敷き詰め、天井にドリルで開けた穴にフックを設置し、そこに買ったばかりのロープを括りつける。

ところが、いざその縄の輪っかに首を挿し込もうとすると、自宅の正面に不審な車が入庫しているのが見える。これを見過ごせないオットーが思わず家から飛び出して行き注意をすると、彼らはお向かいに引っ越してきた4人家族(夫婦と2人の娘)だと言う。

オットーが自宅へと戻り気を取り直していると、今度はその夫婦が訪ねて来て改めて引っ越しの挨拶がしたいと言う。そして、お近づきのしるしに奥さん自慢の手料理(メキシコ料理)を差し入れてくれた。マリレル(マリアナ・トレビーニョ)という名のその女性は、エルサルバドル生まれのメキシコ育ちとのことで、初対面にも関わらずオットーの無愛想な態度を非難しつつ、一気にオットーとの距離を詰めて来た。

一通り挨拶が住むと、夫婦はアレン・レンチ(六角レンチ)を借して欲しいとも言ったので、オットーがセット一式を貸してやると夫妻はようやく帰って行った。

こうして再度落ち着きを取り戻したところで、オットーは改めて首を吊ろうとする。ところが今度は、ロープが天井から外れて、彼は自殺に失敗してしまう。この日の自殺を諦めたオットーは、敷き詰めた新聞紙の中から、花屋の安売りクーポン券を見つけ、これを使って花束を買い、妻の墓参りへと向かう。

果たして、オットーは無事(?)死ぬことができるのだろうか?オットーはマリエル一家とどう関わって行くのだろうか?そして、彼のこの後の生活・余生はどうなって行くのだろうか?

見どころ (ネタバレなし)

この心温まるヒューマンドラマの見どころを3つの観点に絞って書いてみたいと思います。どれもネタバレなしで書いていきます。初見の方も含めて、皆さんがこの作品をより味わい深く鑑賞するお手伝いが出来ると嬉しいです。

トム・ハンクスの卓越した演技

トム・ハンクスの演技が素晴らしいです。「オットーという男」という映画の『オットー』を演じている訳ですから、当然大々的にフィーチャーされる主人公となります。しかし、もはやプレッシャーなんて感じないんでしょうか?卓越した演技を披露しています。まずはここにご注目です。

本作では特に、トム・ハンクスは ”ひねくれたジジイ” を演じている点に着目ください。これは、大ベテランのトム・ハンクスにとっても、初挑戦の役作りだったのではないでしょうか?

ここでちょっと、トム・ハンクスのキャリアを簡単に振返ってみましょう。コメディ出身のトム・ハンクスは、面白おかしいキャラクターを演じるところから注目されるようになりました。例えば「ビッグ」(1988年)。

そして1990年代になると、メグ・ライアンらとのラブ・コメディでキャリアを積み上げていきます(メグ・ライアンとは3回共演)。

そして、1990年代中盤からは、キャリアの方針転換も図り、ブレない信念を持つ人物像を演じ切って、2年連続のアカデミー主演男優賞に輝きます(1993年「フィラデルフィア」、1994年「フォレスト・ガンプ」)。

2010年代に入り、本人の実年齢も50歳を過ぎると、プロの肩書と家庭では立派な父親の役目を両立させる深みのある人物像を演じることが多くなったように思います。

そして、2020年代に入り、本人の実年齢が65歳を過ぎて、今度はこの「オットーという男」で気難しい、融通の利かない、偏屈な初老のジジイ役に挑戦している訳です。

もちろん、2時間を通してクソジジイがクソジジイのままで居たのでは物語は成立しませんので、何がしかの変化を楽しめる訳ですけど、トム・ハンクスが魅せるジジイ像、そして変化のグラデーションがどんな風に輝くのか?楽しみにしていてください!

なお、主人公オットーの若い頃を演じているのは、トム・ハンクスの息子、トルーマン・ハンクスです!ここも見どころの1つとなってきます。

ストーリーテリング力

本作は、簡単に言えばハートウォーミングなストーリーな訳ですが、「感動しろ!感動しろ!」と押し付けがましいかと言うと、決してそんなことはないところも魅力だと思います。

ユーモアもふんだんに散りばめられていて、泣いて笑ってが大好きな映画ファンにはたまらない秀作だと思います。

特に強調したいのは、小道具を使ったストーリーテリングが秀逸なところです。劇中に出てくるちょっとした小物の数々が、登場人物のキャラクター作りや、劇中の重要な人との思い出の解像度をグーンと高める役割を果たしてくれます。

それは1本のロープの長さだったり、ペアのマグカップだったり、1枚の銀貨だったり、1冊の小説だったり。

こういうきめ細かな演出にも気を配って観てみると、更に味わい深くなるかも知れません。

あわわっち

どこの国にも、発行された硬貨にトリビアってあるんですね。

人間模様

この映画はそれほど登場人物が多い映画ではありません。かと言って、主人公オットーだけを描いた映画かと言うとそうでもありません。

もちろんオットーを軸に物語は進んで行くんだけれども、そこで関わり合う人々にも物語があって、それぞれが悩みや課題を抱えていて、それが絡み合う様を眺めている内に色んな事を考えさせられます。

生きて行く中で出会った人が、特別であれば特別であるほど、その人を失った時の喪失感は大きいけれど、だからってもう誰とも出会わない、誰とも関わらない人生っていうのはどうなんだろう?

オットーの置かれている状況は個人的な事情かも知れないけど、生きて行く上で、人と関わるということ、関わらないでいること。孤独、家族、友人、隣人、そして忘れられない出来事。そんな普遍的なことを、この映画は人間模様を通して私たちに考えさせます。

皆さんの心には何が残るでしょうか?

まとめ

いかがでしたか?

大々的な予算を投じて撮られたような大作ではないけど、どなたにとっても、あっ!この部分は自分の生活や人生と重なる部分があるってパートを見つけられる身近な作品だと思います。

この作品に対する☆評価ですが、

総合的おススメ度 4.0 心の整体に是非!
個人的推し 4.0 新しいトム・ハンクスに出会える!
企画 3.5 見事なハリウッド・リメイク
監督 3.5 細かなストーリーテリングの積上げがお見事!
脚本 3.5 いささかシンプル過ぎるが問題無し
演技 3.5 トム・ハンクスさん流石っす!
効果 4.0 地味に映像が凄く美しい
こんな感じの☆にさせて貰いました

このような☆の評価にさせて貰いました。

素直に楽しめるハートウォーミングなドラマ作品だと思います。心の整体に良いと思います。ちょっとヤサグレちゃった時に、独りで、あるいは大切な人と観るのはいかがでしょうか?

骨組みはシンプルだけど、細かなストーリーテリングの積上げが効いていて、共感できるストーリーに仕上がっていると思います。おススメです!

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